「そうなんだ。片思い?」
「うん、ずっと」
「ずっと???早く告白したら?」
「余計なお世話!」
あかねの怒った顔は昔から変わらない。
それから調子に乗って飲み過ぎた俺は、机に突っ伏して寝てしまった。
「おい、勇太」
「…う~~~」
「こりゃ潰れたな」
「翔が飲ませすぎなのよ」
「どうしよ、俺らもうそろそろ解散するのに」
「わたしがなんとか家まで送っとくよ」
「あかね、悪いな」
「うん、大丈夫。こういうの慣れてるし。」
そういってあかねは飲み過ぎた俺を介抱してくれていた。
店から追い出され、フラフラの俺に肩を貸しながらゆっくり歩くあかね。
「ごめん、あかね」
「まったくもう。渡した水飲んだ?タクシー呼ぶよ?」
「気持ち悪い…」
「とりあえず私の家近いから、一旦休も?」
「うん、ごめん、、」
・・・・・
そこから記憶が無くなって…目が覚めると俺は知らない部屋のベットで寝ていた。
その隣には、、、下着姿のあかねがいたんだ。
全く状況が飲み込めない俺にあかねがそっとささやいた。
「起きた?」
「起きた。ってか、、、あの、、」
俺が目のやり場に困っている様子が分かったのか
あかねはソファに掛けてあったルームウェアをさっと羽織った。
「もう気分悪いのは大丈夫?」
「…うん、大丈夫。」
いや、今の俺の状況は全然大丈夫ではない。
しばらく沈黙が続き、あかねが小さな声で言った。
「昨日の夜のこと、何にも覚えてなさそうだね」
「ごめん、俺、ほんとに酔っぱらってて」
「知ってる。」
「ごめん、、、」
「勇太酔っぱらうとあんななんだね。みんなには内緒にしとくから。私たちもう大人だしね。」
すこし笑いながらあかねが意地悪そうに言う。
内緒にしとくってことは…あかねと…やったんだ。
「ホントにごめん。」
俺は急いで服を着て、すぐにあかねの部屋を出ようとした。
「ねえ勇太?またすぐ、連絡していいよね?」
あわてて靴を履く俺にあかねが声をかけてきた。
「…うん。また。」
「気を付けてね。」
いろんな罪悪感にうちひしがれた帰り道、俺は葉月からのLINEに既読を付けることが出来なかった。
↓つづく
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