今日は楽しみにしていた小学校の同窓会だ。
何年ぶりだろう?卒業式以来会ってない久々の人もいる。
俺が到着したのは待ち合わせ時刻3分前。
約束した店の前には懐かしい顔ぶれが集まっていた。
「おい勇太!こっち!」
「おお!翔!久々だな!」
「おまえいつもギリギリなのかわってねえなぁ」
そこにはこないだ偶然カフェで会ったあかねもいた。
「遅いよ勇太!」
「遅れてないよ?」
「ふつうは10分前くらいには来るもんなの」
「そう?」
「そうだよ。さあ中入ろう」
店に入るとそのままあかねが隣に座ってきた。
乾杯して昔話に花が咲く。小学校の時の担任の話や、みんなでよく遊んだ公園の事。
ふとあかねが体を寄せて、耳元で話しかけてきた。
「こないだ会った彼女可愛いね」
「うーん、まぁね」
「なんか勇太のタイプ変わった?」
「俺のタイプ知ってるの?」
「なんかこう、もっと綺麗系がすきだったじゃん」
「そうだっけ?」
あかねは幼馴染だから、お互い何でも知ってる。
高校卒業後、俺がひとり暮らししてからはしばらく会ってなかったけど、こんなに近くで見るとドキッとする。見ないうちにすごく綺麗になった気がする。
「あかねは今彼氏いるの?」
「いないよ、なんで?」
「なんとなく聞いてみた」
「何?気になる?」
「いやなんとなくだって」
あかねは少し黙ったが、こう続けた。
「…好きな人ならいるよ」
↓つづく
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