私の名前は葉月。
大学生3年生で、同い年の彼氏勇太とは付き合って2年になる。
同じ大学に通う勇太は、街を歩けば度々芸能プロにスカウトされるほどカッコいい。
スラっとした長い手足に、目鼻立ちがくっきりと整った顔。
私にはもったいないくらいの高身長イケメンだ。
少し優柔不断なところはあるけれど、そんなところも可愛くて好きになった。
入学して入ったテニスサークルで出会い、すぐに仲良くなったその夏、彼から告白してくれてからは今まで大きな喧嘩も無く順調に付き合ってきた。
「葉月、今度一緒に新しく出来たカフェに行こう」
「うん、それ私もちょうどインスタで保存してた!行ってみたかったとこ!」
当日学校のベンチで待ち合わせして、そのままカフェでデート。
これが私たちのお決まりのパターン。
授業終了を知らせるチャイムが鳴り、大急ぎでトイレに駆け込みメイクを直す。
カッコいい勇太の横に並ぶんだから、私もちゃんと可愛くいたい。
待ち合わせのベンチが見えた。
勇太は、そこに座って音楽を聴いてスマホを触っていた。
少し離れたところで気づかれないように、スマホケースのミラーで前髪を直してから駆け寄る。
「待った?」
「お、はやいね!…葉月今日なんかわかんないけど可愛いね」
「なんかわかんないって何!いつもって言ってよ!」
「はいはい。あ、わかった。ネイル変えたんじゃない?」
「え、すごい大正解。でもまだネイル見せてないよね?」
「うん。でもネイル変えた日、俺わかるよ。葉月はいつもなんか可愛くなる。」
こうやって勇太はいつも、私が喜ぶような言葉をくれる。
ふたりで過ごす時間は私にとって幸せそのものだった。
そう、あの女が現れるまでは。
↓つづく
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