すこし怪訝そうな私の様子を気にして、勇太が言う。
「ごめん、あかねいつもあんな感じだから。小学校から高校までずっと一緒でさ」
「そうなんだ、ちょっと圧倒されちゃった」
「悪気はないと思うからゆるしてやって」
「うん、大丈夫だよ。気にしてない。それに勇太が私の事可愛いって言ってくれてること、ちゃっかりバラしてくれたし」
「あーそれ、聞かなかったことにして。さ、注文しよ」
勇太は恥ずかしそうに、立てかけてあるメニューを手に取って開いた。
私はそんな勇太の様子をからかいながら、さっき声をかけてくれた店員さんを呼んだ。
この時はそこまで気に留めることもなかった私。
まさか、この女が私たちの関係を引き裂こうとするなんて。
翌月。
私は勇太と大学の学食で一緒に昼ごはんを食べていた。
「そうだ。今週の土曜日だけど、小学校の同窓会に行ってくるよ」
「あ、こないだカフェで会った…えっと、あかねちゃんだっけ?あの子が言ってたやつ?」
「そうそう、めちゃくちゃ久しぶりで楽しみなんだ」
「そっか楽しんできてね。」
「遅くなると思うけど、帰る時連絡するから」
「うん、わかった」
その日は勇太も同窓会で遅くなる事を知っていたし、私もわざとラストまでバイトを入れた。
土曜日のバイトが終わり、スマホを見るが、勇太からはLINEも着信も無い。もう夜の23:30なのに。盛り上がりすぎて朝までオール?
一応私からLINEを入れておく。
【バイト終わったよ~。同窓会楽しんでる?あんまり飲み過ぎないようにね!】
しかし結局その日はそのLINEが既読になることは無く、朝を迎えた。
↓つづく
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