お目当てのカフェに着いて、窓際の席に座る。
手書きのイラストがついた温かみのあるメニューが可愛くて、
写真をとろうと鞄に手をのばした時だった。
「あれ?バイト先から電話がかかってきた。ちょっと外で電話してくるから待ってて」
と、勇太は席を立った。
「うんわかった」
しばらくメニューを見て待っていると、店員さんが声を掛けに来た。
「ご注文はいかがなさいますか?」
「えっと、まだ決めてなくて…」
「かしこまりました。お連れ様が戻られてからまたお声がけいたしますね」
「ありがとうございます」
ぼーっと窓の外を眺めていると
女の人が勇太に声をかけているのが見えた。
(またスカウト?)
私が様子をうかがっていると、なぜかその女の人も一緒にカフェの中に入ってきた。
「…えっ?」
「ごめんごめん!たまたま幼馴染に会って!」
「はじめまして。あ、あなたが葉月ちゃん?」
「あ、そうです。あの…?」
「こいつは俺の幼馴染のあかね!小学校からの同級生」
「てかちょっと…勇太が言ってた通りすごい女の子っぽくて可愛いね!」
「やめろよ、恥ずかしいから」
「私、ずっと葉月ちゃんには会いたかったから嬉しい!よかったら私とも友達になってよ」
「う、うん、」
「ごめんね、いきなり。邪魔者はこれまでするから二人でカフェデート楽しんで!あっ、そうだ、勇太!来月の同窓会絶対だよ!」
「うわ、それまじで忘れてた!オッケーまた連絡するわ!」
「じゃあね!あっ、葉月ちゃんもまたね!」
「…また」
勇太の幼馴染であるあかねは、私とは全然違うタイプ。
背が高くて綺麗で大人っぽいクールな印象だった。
性格は初対面の私にも結構ぐいぐい来る、積極的な子。
それに。勇太のことは、あんな風に呼び捨て出来るくらいの関係なんだ。
↓つづく
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